品詞について知ろう!動詞の活用形1 五段活用の動詞

某所でいただいたご要望にお応えして動詞について説明していきます。

 

動詞の活用形は小学生では習いません。中学受験でも習いません。しかしこれをしっかりと知らないまま文法問題をやらせるので、文法問題が難しくなるのです。どうせ中学校になったら死ぬ気で覚えさせられます。私が行っていた第二乙訓中学校(現大山崎中学校)という公立中学校でも覚えさせられました。まして受験を経て入学する中学校ではよりしっかりと覚えさせられるでしょう。今の間に覚えてしまった方がいいでしょう。

 

動詞の活用の種類についてまずこのエントリでは述べていきます。

五段活用・上一段活用・下一段活用・サ行変格活用(サ変)・カ行変格活用(カ変)があります。

これについては以前述べたことがありますので、こちらをご参照ください。

送り仮名には原則があります

ら抜き言葉、れ付き言葉

 

1 五段活用の動詞

例として「打つ」という動詞を挙げておきます。

中学校になると「未然形」「連用形」「終止形」「連体形」「仮定形」「命令形」についても覚える必要があります。しかし今はそんなことはどうでもいいのでとりあえず無視してください。

「それでも知りたい!」という方は下のリンクをご覧ください。

国語の文法

 

まずは「打つ」に「ない」という打消の助動詞をつけてみましょう。

「打たない」となりますね。基本的には「ない」をつけていけば「活用の種類」は分かります。「ア段」になれば五段活用、「イ段」になれば上一段活用、「エ段」になれば下一段活用です。

では次に「う」という意志の助動詞をつけてみましょう。場合によっては「よう」となります。「打とう」ですね。「オ段」になります。

「ない」も「う」「よう」もまだその動作が行われていない状態を示しています。これを「未然形」といいます。「未然」とは「まだそうなっていない」という意味です。

 

その次に「ます」という丁寧の助動詞をつけてみます。「打ちます」ですね。後ろに用言がついてみますので「連用形」といいます。もう一つ、連用形には過去の助動詞「た」をつけることもできます。この場合「打ちた」ではなく、「打った」となります。この形を「音便(おんびん)」といいますが、とりあえず今は無視しておきましょう。

 

「。」をつけてみましょう。「打つ。」となりますね。文の終わりの形なので「終止形」といいます。

 

「人」「こと」「もの」などをつけてみましょう。「打つ時」となります。「人」「もの」「こと」はいずれも名詞です。名詞のことを「体言」と言います。従ってこの形を「連体形」といいます。

 

順接の確定条件の格助詞「ば」をつけてみます。「打てば」となります。「もしここでバースが打てば」というように使います。するとこれは仮定条件を示していることになりますね。これを「仮定形」と呼びます。

 

命令してみましょう。「打て」です。「命令形」と言います。

 

以上、「未然形」「連用形」「終止形」「連体形」「仮定形」「命令形」と全部の活用形を通して見ると、「た」「ち」「つ」「て」「と」と五段全ての形で活用していることが分かります。従って「ない」をつけて「ア段」になる動詞を「五段活用動詞」と言います。

 

この五段活用動詞に「可能」つまり「〜できる」という意味をつけてみましょう。

普通は「打てる」としますよね。この形を「可能動詞」と言います。

「打てない」「打てます」「打てる」「打てる時」「打てれば」となります。「打てろ」というのは少し意味が通らないと思います。

こちらの説明が分かりやすいです。ご一読を。

国語の文法

 

【追記】

一応「音便(おんびん)」についても説明しておきます。

「打つ」という五段活用の動詞に過去の助動詞「た」をつけてみましょう。

助動詞は連用形につきますから「打ちた」となるはずですが、実際には「打った」ですね。これは「打ちた」とは言いづらいので「打った」と形が言いやすく変化しているわけです。発音のしやすさの便宜を図っているわけですね。こういう言い方を「音便」といいます。

音便には他に「聞く」→「聞いた」、「飛ぶ」→「飛んだ」という形があります。

「打つ」→「打った」のように「っ」という「促音(そくおん)」を使う音便を「促音便(そくおんびん)」といいます。

「聞く」→「聞いた」のように「い」を使う音便を「イ音便」といいます。

「飛ぶ」→「飛んだ」のように「ん」という「撥音(はつおん)」(はねる音という意味ですが、個人的には意味がわかりません)を使う音便を「撥音便(はつおんびん)」と言います。

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