品詞について知ろう!動詞の活用形2 その他の動詞

前回五段活用の動詞について説明しました。

品詞について知ろう!動詞の活用形1 五段活用の動詞

 

今回はその他の動詞について説明します。

⑴ 上一段活用動詞

「起きる」という動詞の活用形を考えてみましょう。

「起きない」「起きよう」「起きます」「起きた」「起きる」「起きる時」「起きれば」「起きろ」「起きよ」

前回見てきた五段活用動詞と比べると全てが「イ段」です。従ってこれを「一段活用」といいますが、一段活用には二種類あり、「イ段」の活用と「エ段」の活用があります。そこで「イ段」の活用を「上一段活用」と呼びます。

 

⑵ 下一段活用動詞

「投げる」という動詞の活用形を考えてみます。

「投げない」「投げよう」「投げます」「投げた」「投げる」「投げる時」「投げれば」「投げろ」「投げよ」

「エ段」の一段活用であることが分かります。「下一段活用」といいます。

 

⑶ カ行変格活用

「来る」という動詞の活用形は特殊です。従って「変格活用」といいます。変格活用には「カ行」と「サ行」があります。カ行変格活用を「カ変」、サ行変格活用を「サ変」といいます。

どう特殊なのでしょうか。とりあえず活用形を見てみましょう。

「ない」という打消の助動詞をつけてみます。「来ない」ですが、読みは「こない」ですね。同様に「よう」をつけると「来よう」となります。読みは同じく「こよう」ですね。未然形は「こ」です。

次に「ます」をつけてみましょう。「来ます」ですね。読みは「きます」です。連用形は「き」です。

終止形は「来る」となります。いうまでもなく読みは「くる」です。ちなみに連体形も「来る時」と同じです。

仮定形は「来れば」で読みは「くれば」です。

命令形は「来い」となります。読みは「こい」です。普通は「よ」「ろ」がつきますね。

「こ」「き」「くる」「くる」「くれ」「こい」という特殊な活用形になります。

カ行変格活用動詞はこの「来る」の一語です。

 

⑷ サ行変格活用

「する」という動詞も特殊な活用形になります。

まずは「ない」をつけてみます。「しない」ですね。「よう」をつけてみます。「しよう」です。これだけで終わると「する」の未然形は「し」のように見えますが、ここに落とし穴があります。受身・自発・可能・尊敬の助動詞「れる・られる」をつけてみましょう。この「れる・られる」は未然形につきます。このうち「れる」は五段活用とサ行変格活用の動詞の未然形につきます。つけて見ると「される」となります。未然形は「さ」と「し」になります。またまた落とし穴があります。実は「される」は昔の言い方では「せられる」といいます。こうなると未然形は「さ」と「し」と「せ」になります。そして「られる」は上一段活用・下一段活用だけでなくサ行変格活用の未然形にもつくことになります。実は中学校に入って動詞の活用が覚えられない、と感じるのは「する」のせいではないか、と私は思っています。

連用形は「ます」と「た」をつけると分かります。「します」「した」です。

終止形は「する」、連体形は「する時」となります。この辺は「来る」と似ていますね。

仮定形は「すれば」です。ここも「来る」と似ています。

命令形は「しろ」「せよ」です。この辺は変格活用らしいところです。

「さ・し・せ」「し」「する」「する」「すれ」「しろ・せよ」となります

サ行変格活用動詞は「する」の一語です。

 

とりあえず動詞編はこれで終わります。動詞の活用は、口語よりは文語、つまり古文で重要となります。

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