近況報告、科研費採択されました!

タイトル見て何を言っているんだ?と思った方は多いと思います。

 

磯川塾や第一ゼミナール草津校にいらしゃった方でここを見ていらっしゃるのも少数派(草津校関係者はいないと断言できます)でしょうが、「そういや秦野という塾の先生いたけど生きてるのかな」とか、最近の生徒さんなら「あいつ、塾の仕事なくなってからどうやって生きてるんやろか」とかご心配の方もいるのではないか、と思います。

 

結論からいいますと「やりたいことで稼げていない」というのが現状です。

 

「やりたいこと」とは、結局「子どもたちに勉強の楽しさを知ってもらう」ということですね。特に中学受験生は大変だと思います。遊びたい盛りに塾で勉強、家でも勉強、息抜きなどさせてもらえない、というのが現状でしょう。せめて勉強ぐらい楽しくやらないと、というのがポリシーで、勉強の楽しさを覚えると一生勉強しようかな、と思ってもらえると思います。

 

勉強は受験が終わったら終わり、ではなく、一生続きます。しかし極端な話、中学校に入った段階で燃え尽きて、勉強をやる気力を失い、そのまま大学にエスカレーター式に上がって、大学でも勉強しなければ、その人の損失のみならず、社会の損失にもなるでしょう。だからやりがいもあったんですね。

 

ただ現状、これで金を稼げていない。今利益を出しているのは社会人向けの講演・大学の講義・書籍の執筆、つまり研究活動をベースにした活動ですね。というわけでそちらにシフトすべきなのかな、と考えているところに来ました。

 

科研費採択。

 

「ところで科研費って何?」と思う方も多いでしょう。特に中学生になったばかりの人には何が何だか分からないでしょう。大の大人でも分からない人が普通です。「科研費」と聞いて何かわかる人は研究に何らかの形で関わっている人だけでしょう。

 

科研費とは正式名称を「科学研究費助成事業」といいます。「日本学術振興会」という団体が出している「競争的研究資金」です。有り体に言えば国の予算で研究の資金を支える、というものです。ばら撒くわけにはいきませんから、「競争的」とついているように申請書を出して、それを厳正に審査した上で採択が決まる、というものです。採択率は低く、採択されただけでも業績になります。

 

特に国の財政が厳しく、国民の財政に対する目も厳しくなっている中では研究費もこのような「競争的研究資金」が中心にならざるを得ないのが現状です。大学も研究費が減らされる中で、その関係者が科研費に採択されると、その大学にも研究費がおります。つまり科研費に採択された人は、大学をはじめとする研究機関からすれば「金のなる木」です。採択されれば研究機関に研究者としてやとわれる可能性が高くなります。

 

私は今まで採択されたことどころか、申請すらしたことがありません。私にとっては一番やりたいことは塾の講師であり、大学教授ではなかったからです。

 

ただ塾の仕事がなくなることが確実となった段階で、知り合いの研究者から「科研費に申請しませんか、全面的にお手伝いします」というオファーをいただき、ダメ元で申請したところ、見事に通った、というのが現状です。

 

これ、「天のお告げ」と言ったら大げさで、ウソっぽいのですが、研究者・著述業をメインとして生きていくべき、ということなんだろうな、と今は思っています。

研究テーマは「コシャマインの戦い後のアイヌ社会の変容に関する学融合的研究」と言います。

わかりやすくいいますと、室町時代におけるアイヌ社会の研究です。この時期はアイヌが現在につながる文化を形成する時期にあたっていますが、それを示す史料も少なく、考古資料も少ない、というややこしい時期に当たります。それを歴史学・考古学・データ解析・化学分析の分野から解明して行こう、という研究プロジェクトです。

 

今回私が担当するのは「研究代表者」で、研究をまとめ、進めていく立場です。責任も重いのですが、全力を尽くすしかない、ということでがんばります。

 

ちなみにお金の使い方は厳しいです。生活費にはできません。データ分析に必要な機材や調査のための旅費などです。ちなみに自分のパソコンを買い換える、というのもダメです。生活費は別に稼がなければならないのですが、そこも何とか頑張らなければなりません。

 

以上、近況報告「科研費、通ったよ」です。ここでの中学生に役立つかもしれない社会・国語(古文)の情報発信は続けていきたいと思います。リクエストは問い合わせフォームでよろしく!

 

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