復習の仕方、させ方

勉強は予習・復習が大事だとよく言います。つまり学校や塾の授業を聞いているだけでは身につかない、ということです。なぜ予習・復習が大事なのか。また大事だとしてどうすればいいのか。また保護者の方はどのように言えばいいのか。考えてみました。

 

とりあえず結論から書いておくと、いつやるか、と言えば、家に帰ってすぐと翌日です。何をするかと言えば、強化にもよりますが、宿題を済ませ、授業でやった問題を解き直すことをお勧めしています。分からなかったことはその場で直しておけばいいでしょう。

 

1 なぜ復習が大事なのか

予習・復習が大事だといいますが、中学受験では塾にもよりますが、復習重視のところが多いです。予習をするにはかなりの高度な能力が必要であり、小学生にはまだ難しいこと、さらにはデタラメに予習をやっても逆効果になることが多いことがあげられます。

 

復習が大事な理由は、記憶のメカニズムとも関係があります。復習、あるいは記憶を定着させる、こういったことをやるには脳の構造をある程度知っておかなければなりません。

 

2 記憶のメカニズム

記憶するためには繰り返せ、とはよく言われます。ではどういうタイミングで復習をすればいいのか、脳の構造と合わせて考えてみましょう。

 

脳の中で記憶に関係するのは三つと言われています。まず海馬、そして前頭葉、さらに側頭葉です。気になる人は自分で画像を検索してください。あまり気持ちのいいものではない、と考える人もいるのでここでは省略します。

 

まず情報は海馬に入ります。ここで海馬はこの言葉を知っているか、いないか、覚えているか、いないか、を判断します。そしてそれを前頭葉に問い合わせます。前頭葉は側頭葉を調べます。側頭葉は記憶をする場所です。側頭葉に入っていない場合、前頭葉は側頭葉に記憶するように指示を出します。

 

側頭葉に入らずに海馬にとどまった記憶はすぐに消えていきます。そこで海馬から消える前に側頭葉に入れておく必要があるのですが、そのために復習というものを行うのです。

 

 

3 復習するタイミング

覚えてすぐに復習しても結局忘れる、という経験はありませんか?それはまだ海馬が覚えているからです。前頭葉に問い合わせません。結局側頭葉に入らずに消えていきます。ようするにすぐにやっても復習したことにはならないのです。

 

では一晩置いてやったらどうでしょう。あるいは次の授業の直前にするのはどうでしょう。

 

一日経てば人間は74%の記憶を忘れる、と言われています。ということは、一晩寝たらもうほとんど忘れています。

 

だから家に帰ってすぐに復習をするのが正しいのです。宿題は大体復習になっていますね。だから家に帰ったらすぐに宿題を済ませてノートを見直す、という一連の動作をすればかなり定着します。

そして翌日にもう一度ノートと教科書を見直し、忘れていたことをチェックすれば大体忘れません。

 

これポイントは家に帰ってなるべく早くすること、翌日にもう一度見直すことです。こうすれば短い時間で定着しますので、勉強の時間も短縮できます。さらに言えば楽になります。こ

 

よくないのは、1回目の復習を翌日以降、下手をすれば次の授業まで放置しておくことです。こういうことがたまれば、あとで取り返すのに大きな力が入ります。

 

4 そもそも復習って何をすればいいの?

復習って何をすればいいんでしょう。

 

学校の先生も塾の先生も親もみんな口をそろえて「復習しなさい」といいます。でも何をすればいいのか、悩んでいる人、いませんか?

 

「復習しなさいよ」

この言葉では具体的に何をすればいいのかわかりません。抽象的すぎるのです。これ、具体と抽象ですよね。

 

具体的にすべき「動作」を支持しなければ、何をどうすればいいのかわかりませんね。

 

これは詳しくはそれぞれの教科の先生に聞かなければならないのですが、国語の場合は問題の解き直しをお勧めしています。宿題を済ませます。宿題がすんだら、今日授業でやった問題を解き直すのです。量が少ないのでそんなに時間はかからないでしょう。これを翌日にもやっておきます。授業で言われたことを思い出し、定着するでしょう。これを一年間、確実にやればその分だけ成績は上がります。

 

ちなみに社会の場合、組織図を書いた授業(例えば鎌倉幕府の組織図)は、その組織図をもう一度書いてみる、というのをお勧めします。自分で描けばかなり覚えます。あとは基礎的な問題があればそれをやっておけば、結構覚えていくでしょう。

 

まとめ

もう一度まとめます。

 

脳の構造から考えれば、海馬がとりあえず覚えた情報を側頭葉に記憶させるには、海馬が忘れかけた頃、1時間以上たったころにやればいいのです。現実的には家に帰った時にまずやってみる。そして翌日にもう一度やってみる。

 

国語の場合、授業中に解いた問題をもう一度見直してみることをお勧めしています。

社会の場合、組織図や年代をもう一度写してみましょう。書き写すと結構むりなく覚えられます。手を使うのがポイントです。

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