国語の成績はどうすれば上がるのか。

国語の勉強にはコツがあります。このコツをつかまないと、いくら勉強しても思うようには上がりません。

 

国語の勉強で間違っている、とはっきり断言できるのは、なんとなく問題を解いて、なんとなく答え合せをして「やった、点数が取れた」とか「しまった、間違えた」とか問題一つ一つで一喜一憂(よろこんだり心配したりすること)することです。

 

教える側で間違った教え方、というのもあります。

「バンバン問題を解かせて、バンバン答え合せをする」

何も考えずに問題を解かせているだけでは、力はつきません。たまたま当たったり、たまたま間違ったりをいくら繰り返しても、点数は上がりません。同じ問題は出ないからです。

 

国語では答えが正しかった、間違えていた、よりも大事なのは、「なぜ、そう考えたのか」です。

 

さらに何より大切なのは、文章を正しく読み取っているか、です。

 

多くの塾で採用されている「問題文を読め」「読めたら問題をやっていく」として、いきなり問題の解説から入る方式の授業の致命的な欠陥は、問題文の読解を子ども任せにしているところです。正しい読解方法を身につけていない子どもたちにいきなり問題文の読解を丸投げしても正しく読み取れるはずがありません。正しい読解方法を見せなければなりません。

 

文章の内容をしっかりと理解すること、これが何より大事です。

問題は必ず次のように問いかけます。「問題文を読んで、問いに答えなさい」

 

問題文の正確な読解が最も重要です。ここをとばして小手先のテクニックで解答をいくら作っても、力はつきません。

 

問題を正確に読み取るためには、論理を追うことが必要です。論理とは考えるときの道筋です。

 

論理を追うには三つのつながり方を知らなければなりません。

 

ひとつは言い換えです。

詳しい説明を短くまとめる。逆に詳しく説明する。これを抽象(ちゅうしょう)と具体(ぐたい)と言います。抽象と具体を行き来しながら人間は考えを深めていきます。

これを実際の例(これを具体例といいます。)にあてはめて説明しますと、例えばニュートンは木から落ちるりんごを見て万有引力の法則を発見しました。これは「木から落ちるりんご」という具体的な物事から「万有引力の法則」という抽象的な物事の考え方を導き出しました。つまり具体から抽象です。次にこれをいろいろなもので確かめます。抽象から具体です。

こうして様々な発見や発明がなされてきたのです。

 

次に因果関係(いんがかんけい)です。

因果とは原因と結果です。

例文1「トマトがきらいです。だから残しました。」

この二つの文は因果関係です。原因が前にあり、その当然の結果が後ろに来ています。これを順接の関係といいます。

 

例文2「トマトを残しました。なぜならきらいだからです。」

こちらも因果関係です。あることがらの原因を説明しています。

 

こういう因果関係は論理の基本です。日頃から「なぜだろう」「こうなるとつぎはどうなるのだろう」ということを考える必要があります。

 

三つ目は対比の関係です。

反対の意味の言葉です。例えば右と左、雨と晴、赤と青、赤と白、黒と白などです。

対比することでよけいにはっきりといろいろな物事が見えてきます。

例えばずっと晴れだったら「晴れ」という考えはできないでしょう。わざわざ「晴れ」というのは、「雨」や「くもり」があるからです。

 

この三つの考え方によって人は論理的に考えることができるのです。

 

人間はものを考えるために言葉を使います。言葉を使わなければ考えることはできません。よりよく言葉を使えるために、そして論理的に考えることができるために国語という教科はあります。国語ができなければ論理的な考え方はできません。それも正しく勉強する必要があります。正しい勉強方法は、問題をたくさん解くことではありません。解いた問題の数ではなく、色々な文章を読み、話を聞き、自分で考えてみることによって国語の力がつくのです。

 

続編があります。

国語の論理的な読み方→三つのつながり(イコール・因果・対比)を意識しよう

 

この辺はかなりのところ、出口汪氏の著書に依拠しています。関心があれば下記のリンクから見てみてください。

 


2歳から12歳の脳がグングン育つ!論理の力

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