知らないと損する!意識すべき3点の読解のコツ
国語読解問題に取り組む際の注意点について述べます。
1 本文を素早く、ていねいに読む。
そんなこと、できるんかい!とツッコみたくなる気持ちもわかります。しかし本文を雑に、のろのろと読む人がいる以上、逆の人もいるはずです。
本文を読むスピードを上げるには、いちいち引っかからないことが必要です。わからない単語があっても気にしない。意味がわからなくてもとりあえず読む。もどらない。とにかく最後まで読み通すことが必要です。
文を読むのが遅くなる理由は、ほとんどがこの「立ち止まる」というところにあります。特に日頃から文章を読み慣れていない人は分からないところをほったらかして前に行けません。とりあえず読んでみるとなんとなくわかることもあります。
ていねいに読むためには飛ばし読みをしないことです。分からなくなった場合、そこで引っかかってしまって数行飛ばし読みしてしまうことはありませんか?それをやめましょう。とりあえず分からなくても飛ばさずに気にせずに最後まで読み通すことが必要です。
過去問のやり直しのときにそこを少し意識するだけでもだいぶ違うと思います。過去問のやり直しの場合、文章を覚えているかもしれませんが、それだけに早くていねいに読むことができるはずです。そのときに今いったことを思い出して意識してやってみましょう。
2 読むときに要点をおさえられていますか?
「それができたら苦労せんわい!」と叫ぶ声が私の頭の中にも聞こえてきます。論説文が苦手な人はなんとなく文章を読み流しています。文章を読むときに少し「要点」のポイントを理解すると見えてくるものがかなりちがってきます。
筆者は自分の言いたいことを説明するために、具体例を出して論証します。
「藤原義孝様はイケメン」という主張があります。しかしそれをひたすら言っても、それを疑う人はいます。そこで『大鏡』第三巻に描かれている姿を説明します。そこをみるとその容姿やファッションセンスがベタほめされています。
『大鏡』第三巻の記述が「具体例」です。そして「藤原義孝様はイケメンである」というのが主張です。このときに国語が苦手な人は『大鏡』第三巻のごちゃごちゃ書いている所にひっかかってしまって「藤原義孝様はイケメンである」という単純な主張を見逃します。
「要点はどこだろう」という意識を持たずにダラダラと文章を読み流していた人は、少し意識して過去問のやり直しに取り組んでみてください。
3 何を聞かれているか、わかってますか?
「◯◯◯はどういうことか」という設問は、「◯◯◯」を説明せよ、ということです。従って「◯◯◯」を詳しく説明しているところ、あるいは「◯◯◯」を言いかえているところ、「◯〇〇」をまとめているところ、こういうところをしっかり探せばいいわけです。そして最後は「〜こと。」とする。ここを間違えないようにしましょう。
「なぜ◯◯なのか」という設問は、「◯◯」と言える理由を探せ、ということです。「トマトがきらいだ。だから残してやった。」という文は、「トマトがきらい」という原因と「残してやった」という結果の関係になっています。こういう原因と結果の関係を「因果関係(いんがかんけい)」と呼びます。
因果関係にはもう一つのパターンがあります。「トマトがきらいだ。なぜなら青くさい味とにおいがするからだ」という文章です。この場合は「トマトがきらい」というのは結果です。その原因は「青くさい味とにおい」です。
とりあえず今回はこの三つのポイントに従って文章を読み直す、という作業をしてみてください。かなり見えてくるものが違うはずです。