鎌倉時代の新仏教
鎌倉時代の入試関係でよく出てくるのが「鎌倉新仏教」です。
鎌倉時代には数多くの「新仏教」が出てきました。これは平安時代に起こった末法思想と浄土信仰が下敷きになっています。まずはそこから話を進めないと単に無理やり暗記になってしまいます。
で、暗記するだけならばそれほど努力は入りません。授業は覚えるべき点を十分程度説明して、あとは家庭学習です。
当ブログでも一応まずは覚えておくべき点を説明しておきます。
大きく分けるとつぎの三つです。
浄土教系(いわゆる「南無阿弥陀仏」という阿弥陀如来への信仰を示す言葉を唱えることで極楽往生ができると考える宗派)
禅宗(坐禅や公案という問答を通じて悟りを開く宗派)
法華宗(「南無妙法蓮華経」という妙法蓮華経というお経の題を唱える「題目」を通じて現実社会を仏国土に変革する宗派)
ではそれぞれの宗派を見ていきます。
浄土教系です。
浄土宗ー法然ー念仏による極楽往生、他力本願(念仏による仏の救済こそ本質)
浄土真宗ー親鸞ー悪人正機説(悪人つまり仏教的な善を為し得ない人々こそ阿弥陀如来の救済の対象である)絶対他力(弥陀を信じる心も弥陀によるもの)
時宗ー一遍ー踊念仏(阿弥陀への絶対的信仰→すでに衆生は救われている、法悦を実現するための踊り)
基本的にはつぎのようにどんどん簡単な方向に進みます。
法然(念仏する努力)→親鸞(信じる心が起きた時に救いが決まる)→一遍(信じる、信じないに関わらず唱えれば救済)
禅宗です。
臨済宗ー栄西ー坐禅や公案などを通じて悟りを開く。鎌倉幕府や室町幕府の要人に受容
曹洞宗ー厳しい坐禅(只管打坐ーひたすら坐禅にうちこむべし)、権力と距離を置き、山の中で修行に打ち込む
法華宗です。
日蓮宗ー日蓮ー妙法蓮華経の功徳を称揚し、現実の社会を仏国土に変革、他宗派の排撃
ざっとこんなところを覚えておけば中学入試には十分です。しっかり覚えてください。高校入試もこれでいけるはずです。
問題は大学入試あるいはそれ以上ですね。私立大学ならば概ねこれを押さえておけばそこそこの点数は取れます。したがってここであまり時間を取るのは得策ではありません。ただ忍性や叡尊といった人々も覚えた方がいいです。
とりあえずあっさりしていますが、これで終わります。
続きはまた近いうちに書きます。