反転授業とオンライン個別指導

反転授業という言葉を最近目にします。非常に効果が高い、と言われています。どういうものでしょうか。

 

「反転」の意味

「反転授業」はどこが「反転」なのでしょうか。

普通の授業は次のサイクルで行われます。

「自宅で予習」→「教室で教師による新たな学習内容の教授=授業」→「自宅で復習」

このサイクルの中で教師は「授業」に関わります。そしてこの「授業」というのは黒板(ホワイトボード)を使用して一人の教師が多くの生徒を教える、という形になっています。

 

反転授業では次のように進みます。

「自宅で動画などによる新たな学習内容の教授」→「教室で演習・教師による指導」

要するに「教室で座って教師から知識を教えてもらう」のは、動画を見ればいいわけです。教師が活躍するのは知識の定着・活用過程になります。要するに「宿題」を教師とともにやるのです。教師の仕事は、問題を解くのに手間取っている生徒のサポートになります。

 

反転授業のメリット・デメリット

メリットとしては、学習効果が高いことが挙げられます。宿題まで教師がついてくれるようなものですから。

デメリットとしては、生徒のやる気に大きく左右される、と言う面があります。新たな学習内容の習得を自宅で行うのですから、ここでサボるとほとんど何も定着しないまま授業に臨むことになります。すると授業が今までの「新たな学習内容の習得」の場になってしまい、反転授業ではなくなります。つまり保護者の方のサポートは欠かせません。

 

安い個別指導と反転授業

オンライン教室側の反転授業のメリットは、意外なことに安く上げられる、というのもあります。

有名な講師の授業を動画で提供して、実際の指導を学生のバイトにやらせれば、授業料は安くなります。実際安価なオンライン個別指導では、実際の授業は動画で提供され、質問にスタッフが適宜答える、という形になっています。こ

こういうのも一種の反転授業でしょう。

 

科目別「反転授業」との相性

個人的には理科と社会は非常に相性がいいと感じています。

家で動画などで知識を身につける。

教師の前で問題を解く。

つまずいたところを教師が指導し、それを定着させる。

簡単に書きましたが、実際はこのフォローアップは意外と難しいです。

演習問題で間違えるわけですが、実はその間違いには理由があります。あることを理解していないから間違えるのですが、その「あること」が何なのかを教える側が理解していないと、的確なフォローはできません。

 

算数・数学についてはよく分からない(ものすごく苦手なので)のですが、相性は悪くない気がします。

まず基本的な解法を家で身につける。

教師の前で問題を解く。

つまずいたところを教師が指導し、それを定着させる。

 

国語ははっきり言って難しいと思います。

というよりも国語はもともとが反転授業なのかもしれません。

授業では正解を知ることよりも、自分の間違いとその原因をどれだけ理解できるか、がポイントです。そしてそれが特に国語が苦手な生徒には伝わりません。国語の得意な生徒には伝わります。こうして得意な生徒はますます国語が得意になり、苦手な生徒はますます泥沼にはまっていくような気がしています。

これを解消するためには、生徒一人一人の解答、特に間違っている解答をチェックする必要があります。そのためにはできるだけ少人数でやっていかないとダメです。

こうなってくると今度はアクティブラーニングの問題になってきます。この辺は別エントリを立てたいと思います。

 

外国語・古文などは悪くないような気がします。文法の知識は動画で十分で、それを使って実際に翻訳し、読解し、それに関する問題を解き、解説するのは演習の場で行う、という形になります。外国語や古文では文法が決定的に重要です。この辺は母語とは異なる一面です。

 

反転授業とIT社会

反転授業という形態は実はIT(情報技術)社会と関係があります。家で効率的に予習をするには、各家庭で動画を視聴できる環境になければなりません。実は反転授業の最大のネックはそこです。動画の視聴のためには通信環境が整備されている必要があります。今、私たちはそれが当たり前だと思っていたりします。私も「zoom って無料で手に入るし」と思っています。しかしzoomを使うにはまず動画を視聴できる通信環境とマイク・カメラ付きの端末が必要です。要するに「スマホ」があれば事足りるわけですが、その「スマホ」の維持費が意外と高いことを考えれば、反転授業が社会に根付くには意外とハードルが高いかもしれません。

これはコロナ禍の社会におけるこれからの社会のあり方にも関わってきます。コロナのもとで社会は大きく変わろうとしています。

例えば教育ではますますオンライン化が進むでしょう。コロナがそう簡単に収束するとは思えません。特に塾や家庭教師はオンラインが標準になると考えられます。

これは止むを得ない代替策ではありません。実は大きく変革するチャンスでもあります。この辺はまたエントリを立てて話をしたいと思います。

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