江戸時代の文化

江戸時代の文化と社会をざっくり眺めておきます。

 

1 江戸時代の文化

これは本当にあっさりと。

元禄文化という言葉と化政文化という言葉を覚えてください。

⑴ 元禄文化

だいたい徳川綱吉のころの文化です。このころの年号から取られています。

上方中心という言葉で説明されます。要するに京都や大坂中心、ということです。商人の経済力をバックにした豪華なイメージの文化と言われています。

主な人間を上げておくと次の三人をまず覚えてください。

井原西鶴・近松門左衛門・松尾芭蕉

 

井原西鶴

彼は浮世草子・人形浄瑠璃・俳諧の全てに卓越した才能を発揮した人物で、全ての肩書きを持っていますが、それではわかりにくいので中学入試では浮世草子の作者として覚えてください。わかりやすく言えば小説家です。

主な作品を覚えておくと役に立ちます。とりあえず『日本永代蔵』を覚えておけばなんとかなるでしょう。『世間胸算用』も見たことはありますが、まあ無理のない範囲で押さえておけばいいです。

 

近松門左衛門

彼は浄瑠璃作家と覚えておきましょう。歌舞伎の作者でもありますが無視していいです。

浄瑠璃とは三味線をバックに太夫(たゆう)と呼ばれる人が話を語る劇場音楽です。オペラが近いかな、という気がしますが、その辺は見たことも聞いたこともないのでわかりません。人形を使うものを人形浄瑠璃といいます。大坂では文楽座で行われている文楽という人形を使った浄瑠璃がユネスコの無形文化遺産に使われています。

主な作品としてまず覚えておきたいのが『曽根崎心中』です。

最近では近松門左衛門を描いたドラマ「ちかえもん」で共演した青木崇高さんと優香さんがそれをきっかけに結婚したことで知られています。知らなければスルーしてください。

 

松尾芭蕉

俳諧師です。俳句と呼ばれますが、実際に俳句という形になるのは明治時代で、当時は川柳も俳句もまとめて俳諧と呼ばれていました。

とりあえず東北地方の紀行文である『おくのほそ道』を覚えておけば問題ないと思います。

 

まずこの三人を覚えた上で美術の菱川師宣・俵屋宗達・尾形光琳を覚えておきましょう。

 

菱川師宣

まず菱川師宣です。

この「見返り美人」を見れば、「菱川師宣」を選べるようにしておいてください。菱川師宣は浮世絵の祖と呼ばれています。それ以降、多くの浮世絵師が出ていますが、菱川師宣以外は化政文化の人物と覚えておけば大丈夫です。

 

俵屋宗達

俵屋宗達は厳密にいえば元禄文化よりも早い時代の人物で、だいたい徳川家光のころに活躍した画家です。

作品です。

この「風神雷神図」を見た時に「俵屋宗達」を選べるようになっておきたいものです。

 

尾形光琳

一応元禄文化に活躍した画家です。

植物のこんな感じの絵を見た時に「尾形光琳」を選べたら心強いです。

 

ちなみにこの順番、出題で見かけた順に並べていますので、菱川師宣の作品を見て「菱川師宣」をふくむ選択肢を選ぶのがポイントです。別に「菱川師宣」と漢字で書ける必要はないと思います。

 

 

⑵ 化政文化

徳川家斉の時代です。三大改革でいえば寛政の改革と天保の改革の間に当たります。「化政文化」という名前は当時の年号の「文化」と「文政」から一字ずつとったものです。

寛政の改革(松平定信)→化政文化→天保の改革(水野忠邦)という感じに覚えていきましょう。

江戸中心の文化で滑稽(こっけい)や皮肉が好まれた文化、という言い方がされます。

先ほど「元禄文化をしっかり覚えておけ」と言ったのは、「元禄文化で覚えろ」と言われた「松尾芭蕉・近松門左衛門・井原西鶴・菱川師宣・俵屋宗達・尾形光琳」以外は全部「化政文化」の関係だからです。

 

ここではまず浮世絵を見分けることが大事です。

 

東洲斎写楽

この絵を見たことはある人は多いと思います。この役者絵を見た場合「東洲斎写楽」を選べるようにすれば大丈夫です。

ちなみの写楽は「謎の絵師」と呼ばれていて、わずか10ヶ月だけ活躍して姿を消したことで知られています。その正体についてはいろいろ言われています。

 

葛飾北斎

「富嶽三十六景」の中の一つ「神奈川沖浪裏」という作品です。「富嶽三十六景」という言葉を覚えれば十分です。「富嶽三十六景」とこの絵と葛飾北斎という人物を結びつければ問題ありません。誰もがどこかで見たことのある絵です。

 

歌川広重

彼は風景画で有名です。こんな感じです。

 

『名所江戸百景』という作品群の中の「大はしあたけの夕立」という作品です。これが有名なのはビンセント・バン・ゴッホの作品にこんなものがあるからです。

これの右のほうです。左が広重の絵、右がゴッホの絵です。ゴッホは広重を見て衝撃を受け、それを写していたのです。「ゴッホにまで影響を与えた浮世絵師歌川広重を産んだニッポンスゲー!!!」と感動するまでがお約束です。まあ実際広重がすごいことと「ニッポンスゲー!!!」というのは別なんですが、そこを「別」と冷静に指摘するとこの日本では生きづらいことも出てきますので、とりあえず素直に「ニッポンスゲー!!!」というのには逆らわないようにしましょう。

 

喜多川歌麿

美人画で有名です。こんな絵です。

 

これは「ポッピンを吹く女」という絵です。他にもこんな感じの顔をした女性が出てきたらとりあえず「喜多川歌麿」を選べるようにはしておきたいものです。

 

小説

十返舎一九(じっぺんしゃいっく)

十返舎一九の「東海道中膝栗毛」はまず覚えておきましょう。浮世絵の見分けの次は十返舎一九です。「弥次さん喜多さんの珍道中」という話で知られています。弥次郎兵衛(やじろべえ)という中年と喜多八(きたはち)という若者の二人連れが東海道を下っていく中でいろいろなドタバタを演じるというコメディータッチの小説です。

滝沢馬琴(たきざわばきん)

こちらは歴史に題材を求めた小説で有名です。

戦国時代初期の戦国大名里見氏の興亡をSFちっくなファンタジーに仕立てたのが「南総里見八犬伝」です。里見氏を再興するために集まった犬の魂が悪者の扇谷(おおぎがやつ)上杉定正と戦う、という話です。

あとは保元の乱で活躍した源為朝が伊豆大島に流罪となった後、琉球に渡って琉球を統一する、という「椿説弓張月」(ちんせつゆみはりづき)も知られていますが、まあ中学入試ではここまでは気にしなくていいでしょう。

 

俳諧

小林一茶と与謝蕪村を覚えましょう。あと川柳の柄井川柳は覚えておいても損はしません。それほど得もしないと思いますけど。

俳句と川柳の違いや短歌の読み方などは国語として改めてやりたいと思います。ただ誰も見ていないのでちょっと意味がないかな、とも思いますが、友達に会った時に面倒臭くない範囲で知らせておいてください。送り仮名の問題も誰も見ていない(!)ので、現時点では国語をできません。

 

次回は江戸時代の学問と農機具の発展などをやります。

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